軸性近視(近眼)の原因
眼軸の延長そのものはよく原因が分りませんが、その素質の多くは遺伝関係によって起こるものと考えられています。従って、これの予防や治療は、きわめて困難であるといわれております。限軸の延長そのものの原因はよく分らないのですが、現在、ある程度の推定は行なわれています。
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まず第一にいえることは、強膜の薄弱ということです。軸性生近視は眼軸が延びるといっても、眼球全体が一様に長くなるのではなくて後極を中心とした眼球の後半分か腫張するものです。
これのひどいものを後葡萄腫といっていますが、眼球後半部の強膜が薄弱であれば、何らかの理によって眼球は後方だけが延長し、その結果眼の奥行きが長くなってしまうと見られるのです
これは推定ですが、強膜の強さには、先天的にいろいろな段階があって、最も丈夫な人はどんなに無理をしても強膜が薄く延ばされることはないが、最も薄弱な人はいくら注意していても延長してしまう。
一番困るのは中程度の人であって、注意していれば眼軸延長を来たすことはないが、無理をすればすぐ延びてしまう。近視の進行にいろいろな段階があるのは、そのせいではないかと述べておられます。そ して、近視の遺伝というものは、近視そのものではなく、強膜の強さが遺伝によって左右されるのが原因だろうというのです。
さて、それでは、強膜の薄弱さが、眼軸延長という事態に結びつくのは、いかなる理由によるものなのか?今度は、その点を考えてみることにいたしましょう。
軸性近視の原因についても、ちょうど仮性近視の場合におけるのと同じように、近業をその原因に挙げる学者は大勢います。しかし、その考え方は人によって実にまちまちです。
大別すると、近業に際して起こる変化のうち「調節」を原因とする説と、「輻湊」を原因とするものの二つに分けることができます。以下、そのひとつひとつを紹介いたします。
(1)調節を眼軸延長の原因とするもの
これにも、更に二つの考え方があります。
a)調節が、眼内圧、特に硝子体内の圧を亢進し、そのために眼軸が延びるという説。
b)毛様体筋、特にプリュッケ氏前の収縮によって、眼球後部が引っ張られるために眼軸が延びるという説。
(2)輻湊を眼軸延長のの原因とするもの
これには三つの考え方があります。
a)輻湊による外眼筋の緊張のために眼内圧が亢進し、そのために眼軸が延びるという説。
b)輻湊による外眼前の緊張のために、筋肉が収縮して渦状静脈を圧迫し、血液の流出を妨げるために、血液が眼球内部に充満するので眼内圧が冗進し、そのために眼軸が延長するという説。
c)輻湊による外眼筋、特にその中で外直前や内直筋の緊張による圧迫で、眼球が力学的に後極に向かって押し出されるようになり、そのために眼軸が延長するという説。
このように、軸性近視が近業によって誘発されるのではないかという推定ひとつを取ってみても、実にさまざまな説があることが分ります。この他にも、猿による実験から、近業によって下を向くことが悪いのではないかという説もあり、そのどれが正しいのか、ちょっと考えただけでは見当もつきません。
私達も、学会ではっきりした結論が出ない以上、軽卒に一つの説に固執してはならないと思いますし、広い視野でこの問題に接して行くべきだろうと思います。

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